11月:『共感』

【月目標】

 *豊かな秋の実りを喜び、神様に感謝する。

 *秋の自然物に触れ、調べたり、試したり、食べたりして、季節を感じる。

 *気持ちや考えを伝えあい、分かち合いながら友達と過ごす。

 *色々な人の働きを心にとめる。

 

 秋! 一定しない気温の中いつしか「秋」は訪れ、美味しい果物・高騰している野菜・魚・新米等々、食欲のそそられる食べ物がお目見えしています。山の木々、街路樹も少しずつ色の変化を見せ、美しい綾錦を織り始め、また風に吹かれて舞い降りて落ち葉となってきています。

子どもたちの手には、いっぱいの自然物が握られ、通園の往復で触り、調べ、遊びの材料として試し、また食するものとの出会いもあり、時間のかかる通園風景、でも子どもたちにとってはいつまでも忘れ得ぬ、知らぬ間に心が豊かになると云う目に見えない賜物を積み上げているのでしょう。京都のこの辺りは、まだまだ自然があります。ちょっと行けば山、川、広っぱ

があるのですから。そんな風にして季節を感じながらの毎日、祈りを繰り返しての神様へ感謝する日々はどんどん過ぎて行き、今年のカレンダーもあと2枚になってしまいました。

 この園にとっての11月は大切な、真剣な、時には重く、嬉しく、楽しく、今まで以上に子ども達に大いなる成長をもたらす日々になるからです。キリスト教にとっての大切な行事に向かうのです。当園の基盤となる理念の一つである神様への感謝、そしてみんなを大切にすることを教えて下さった神様(イエス様)のお誕生をお迎えする準備も始まるのですから。そして、その行事が遊びへと、また遊びが行事へと、それぞれに生かされるのです。それを生かそうとする時、自分自身の気持ちを表出することを今まで以上に確かなものにすること、お互い耳を傾けること、お互いが受け入れることを意識すること、分かり合おうとすること、時には譲ること等々が、次のステップへと成長させるためにとても大切になってくるでしょう。新学期から数えて7ヶ月。春・夏・秋へと移り行く中で、とてもたくさんの経験をつんできましたね。泣いたり、笑ったりしながら。感情の起伏を自分で抑制しながら、尖った口先が笑顔に変わる時、それは、成長した一場面として温かくその心を受け止め、安堵感を享受させてあげたいと思います。私たちは、隣に人がいて初めて成長し、助けられ、学び、感謝し、愛され、喜び、楽しみ、泣き…。みんなに支えられていることを自覚し、いつも私たちの為に、物心両面で支えてくださっている家族・親戚の方、また知らない所で私たちを支えて下さっている方のことも心に覚え、様々な場や内容で共感しあいながら感謝し、嬉しい感謝祭をお迎えしましょう。

10月:『試行錯誤』

【月目標】

 *神様のくださっている力を出し合い、ともに取り組む。

 *季節の移り変わりを感じる。

 *疑問や気づいたことを調べたり、考えたりする。

 *友だちと遊ぶ中で、いろいろな方法に挑戦し、失敗を重ねながら試す。

 

 台風・地震・大雨・竜巻・雷等々の気象状況。もうすぐ10月ですのに、一体近頃の移り変わりはどうなちるのでしょうか。温暖化による影響が大なのでしょうか。とはいえ、私たちにはどうすることもできず、その日その時に与えられた環境に合わせ、物事が少しでも良い方向で対処できるように、自分自身を、また皆さんと協力して事を成していかねばなりません。明日、どんな状況下にあっても、特に緑組にとって思い出となる運動かになりますようにご協力くださいますようよろしくお願いいたします。

 さて、10月は気温も落ち着き始めるでしょうか、不安なところでもありますが、そう願いながら子ども達の成長を見つめていきたいと思います。落ち着いて、集中して、考えて、人に迷惑をかけずに「失敗は成功のもと」と思って考え、試行錯誤して様々なことに挑戦し、建設的に協力をし合う。「主の祈り」の中に「誘惑に陥らせず悪からお救いください」という一文があります。誘惑に陥るかどうかは、自分が正しいと思うことの竺がしっかりしているということであり、自分の心をしっかり表出することでもあります。年齢にもよりますが、集団の中で育つ大切な一つなのです。なんでも試行錯誤して良いというものではありません。失敗は自分自身の責任で担ってほしいものです。うちの子に限ってとか、この幼稚園の子に限ってとかではなく、大人はいつも子ども達の心と行動に気を配っている必要があるでしょう。まだ幼稚園ですから。そんな心を育てながらの集団内では、とても忙しくなるこれから!です。運動会で始まる10月、お芋掘り遠足、今年特別の「こころのお庭プロジェクト」「友の会園庭BBQ」そして、感謝祭に向かって始動します。と同時に、10月終わりの献金礼拝では、新約聖書のかかりに入る予定です。ということは、感謝祭と並行してクリスマスを見据えているということです。こひつじの会の保護者の方々には、聖歌隊へのご依頼もいたします。子ども達が物事に集中して、しっかり取り組める、そしてそれが楽しみへと繋がる、意欲としての気合いが入る。一つ一つの言葉を聴き取り、理解し、行動していくことはとても難しいことで、一朝一夕になるものではありません。お互いを高め合う為に、親も子も真剣に取り組まねばならない大切な幼稚園時代です。また、重要な2学期の日々です。しっかり関わらねば子どもは日ごとに親離れしていくのですから。今しかを感じて下さい。

9月:『躍動』

【月目標】

 *平和を考え、願い、共に祈り、平和に過ごす。

 *一日の生活リズムを取り戻す。

 *夏の経験を通して、遊びが広がる。

 *友だちと身体を動かす遊びを楽しむ。

 

 ツクツクボウシもまだかろうじて、惜しむ夏を呼び覚ましてくれています。その一方では、草陰から虫の声。ショウリョウバッタ(オンブバッタ)・機織りバッタ・ふわ~ふわ~と飛びながら餌になる自分の葉っぱを見つけて卵を産み付けている蝶々。地上での短い命を全うしたセミたちがあちこちに。積乱雲からさば・いわし・うろこ、ひいてはひつじ雲などもそろそろかと。

 暑い暑いから、涼しさへと私たちの五感が様々な季節の移り変わりを捉え始めますね。そんなことを素直に受け止められている、受け止めようとしているということの幸せ。平和な日々。がこの夏にも、私たちの周りでは、数々の自然災害や人災に見舞われた方がありました。そのような方々を主言う、祈り、平和な日々を感謝しつつ、大切な2学期を過ごしていきたいと思います。

 ここ数年、長期お預かりの実施に伴い、夏休み中に会わないということが少なくなってきましたね。しかし、子ども達の気持ちはやはり「夏休み」。様々な経験を積み、身も心も成長したに違いありません。(年齢によっては後退した部分もあるかもしれませんが、それも成長の一つと捉えてくださいね。成長は行きつ戻りつの繰り返しですので。) そして、それぞれの経験が、子ども達の遊びへと繋がります。共有することもできるようになります。それは、次第に「相手」の存在を認識し、集団の中の自分を捉えることができるようになるからです、その捉え方は、もちろん年齢及び個人差はありますが、自分がこうして欲しいと思った時、家庭の中での自分と明らかに異なるんだということが、判るようになりますね。幼稚園という初めての集団生活が、その後の生活の中心になり、お友達との関係性な中で、けじめ・我慢・譲る・聴く・話す、そして、誰から見ても気持ちの良い態度(姿勢・食事のマナーetc.)等々の学びの場となっていきます。1学期の間は、その1年の準備段階、2学期は自分で感じ、考え、表現し深めていく。3学期は学年の仕上げとともに次年度への助走です。あっという間の1年です。今年もあと四ヶ月なのですから。密度の濃いこの2学期を、それぞれの子ども達が遊びを充実させて、新しく挑戦して、新しい経験を通して自信をつけ、どんどん体得していけるように、私たちも一人一人の心に触れながら、日々寄り添って過ごしたいと考えています。ご理解、ご協力宜しくお願い申し上げます。

8月:『団欒』

【月目標】

 *平和を考え、願い、共に祈り、平和に過ごす。

 *保育者や友だち、家族とゆったり過ごす。

 *さまざまな人や環境に出会い、いろいろなことを経験する。

 

 いよいよ夏休み!! さぁ、海へ、山への今年の夏の計画はいかがでしょうか。様々な事故や災難に遭われた方のことを覚え、祈りながら、どうか充実した楽しい日々を元気にお過ごしください。今月は特に「命」を考える月ですね。

 梅雨明けを迎え、真夏に突入。蝉しぐれが目覚まし代わりになり、命ある生き物たちが、空中を飛び回り、子孫繁栄に向けて活発な活動を繰り広げています。この一学期に、幼稚園では様々な生き物を飼ってきました、実際に子ども達が命と向き合うことのできる大切な場面です。私たちは、毎日・毎回、命に向かい合う日々を過ごしていますが、この園で育ちあう子ども達はなんと幸せなことかと思います。自画自賛ではありませんが、この幼児期に生き物と関われることができる場や機会があることの重要性、それが将来的に、その人の心に響く大切な人間性へとつながる、また、自分の心の養いとして豊かな人間へと導かれるということが、様々な研究で指し示されているそうです。人間としての基本的な心の育ち、探求心、自分で飼いたいと思う持続料、自分の命が守られていることを、自分が手を施すことでそのことを実感し、だから、初めに手を下した以上は、最後まで面倒を見て、その命を守ること。小さな 小さな命の行きを入れてもらった ちってゃな虫たちにも、その大切なものがあることを学び取ります。今回の実習生の中には、いまだかつてカエルを見たことも触ったこともないという学生がおり、少々驚きました。しかし、今まで育った環境によって出くわしたことがないということならばそれは歪めません。しかし、少なくとも私たちのように、毎日子ども達と接しているこの職業を選ぶにおいて、全く知らないでは先が思いやられます。先生がどのようにそれを受け入れ、生き物と接するのか、とても大切な人的環境だからです。絵本の活用とともに、この長い夏休みには、ゆったりとした多種多様な自然体験をさせてあげてほしいと思います。テーマパークの楽しくなるもの、特に緑組は宿題のない唯一最後の夏休みです。兄姉がおられるとなかなか同じようにはできないかもしれませんが、ご家族お揃いで、団欒につながるような温かな時をお持ちください。昨今では、ご家族が揃ってのお食事風景も失われつつあります。意識的にそのような場を作ることも大切でしょうね。

7月:『探求』

【月目標】

 *神様の創られた自然にふれ、親しむ。

 *土、砂、水にふれ、心と身体を解放させて遊ぶ。

 *やりたいことや一緒にいたい人がはっきりしてきて、遊びが続くようになる。

 *子どもの育ちを保護者と共に分かち合う。

 

 梅雨明けはいつかな? 思いっきりプールの水で遊びたいな?と思うところでしょうが、例年のごとく、待ち遠しい梅雨明けですね。なんでも適度が良い。暑さ、寒さ、風の強さ等々。でもなかなか人間が考えるように穏やかな天候の中での毎日いは望めないものですね。正しく月目標にあるように、神様の創られた自然に触れ、親しむことを自ら行わなければ、「暑い!」「寒い!」と気持ちの上から耐えられなくなるのでしょうね。神様のなさることにはすべて意味があると.神様が私たちに与えてくださることは、素直に受けなければならないのでしょう。子ども達にとって、遊びの大切無し全仏の一つは、土・砂・水です。関わりながら気持ちを解放させて遊べるようにと考えます。しかし一方で、それらによって大きな被害を被られた方々にとっては、特にそれらと戯れていた子ども達にとっては、無残な思い出として脳裏に焼きつくのかも知れないとと考えると、本当に気の毒に思います.私たちのできること、祈ることからその方々に少しでも近づき、添うことができるならと祈りを繰り返したいと思います。私たちの置かれたこの場は、祈ることから始まるからです。花組さんでさえ、一人遊びをしながら、「♪一人一人の名を呼んで、愛してくださるイエス様・・・♪と口ずさんでいます」と聞けば、子どもたちの心にしっかりイエス様が寄り添ってくださっているんだな、本当に小さな私たちに。と感謝でいっぱいです。

 先日の日曜礼拝の時に藤原先生(チャプレン・司祭)のお説教に、教会に生まれた時から亡くなり、また天国へ行かれてからも、ずっと祈れる場であることをお話しされました。その週には、なくなられた方、銀婚式をお迎えになられた方、結婚式を挙げられた若いカップル、そんな大きなお礼はいが3つも行われたからです。それを耳にした時、本当にそうなんだ!と改めて思ったのです。お腹にいる時・誕生した時・七五三に当たる幼児祝福式・入学・卒業・成人・就職・結婚・〇〇式・敬老感謝(還暦・古希・喜寿・傘寿・米寿・卒寿・・・)そして神様の元、天国へ。こうして考えると、すべて祈りを持って受け入れて頂けるのです。子どもたちの今、まさに元気いっぱいの毎日を、ふと立ち止まってご家族みんなで感謝しながら、子どもの成長の今を振り返ってみるのも良いかもしれませんね。それぞれの子どもさんに与えられた賜物を探しながら。

6月:『関心』

【月目標】

 *神様の作られた自然の不思議に目を向ける。

 *いろいろなものを使って遊び、興味や関心が広がる。

 *友だちや保育の源堂、遊びに心を動かす。

 *トラブルを通して、友だちの思いを知る。

 *保育者の援助を受けながら、共に考えてみる。

 

 真夏日の続いた5月から、本当に夏日に向かう6月の梅雨の時期を迎えようとしています。子ども達は、それぞれの天候に合わせて、園内外での遊びを活発に繰り広げています1学期が一番たくさん、ゆったりと思いっきり遊べるように思います。それは、年度始めの学期として新たなお友達関係を構築していくためにとても重要なことです。それぞれの成長の中で、相手への理解(遊びを通しての言語でのやりとり、心での感じ方、自分の処し方etc.)を余儀なくしていかねばならないことに他ならないからです。その関係性の中には、神様が創造されたすべての生き物、お友達が作った大切な作品、自分が関心を寄せて持参した諸々の物、他のお友達の所作を見て自分も挑戦してみたいなあと思うこと、いっぱい いっぱい子ども達の毎日の生活の中には、ただならぬことが満載です。大人は通り過ぎて来た道を振り返れたとしても、その時の気持ちを理解しても、自身がその時の気持ちにまではなかなか下げることは出来ませんね。だって、人生の多くの経験を経てこられたから、どうしても上から目線になってしまうのですね。ですが、どうぞ、子ども達の「発見」にお付き合い下さい。今、お子さんが示している「関心」に同意し同調する、その表現・心の表出はいまでしかないのです。そして、この幼稚園で送り迎えをしていただいているからこそ、お子さんが見つけ、感じ、探求し、納得し、前に進めるようになるのです。

 この道々の親子の対話が、子どもの将来にとっていかに意味深い藻委ものであるかという調査結果が出ていると言われています。女の子であれ男の子であれ、性差は無関係で様々なことに興味関心を示します。成長と共にその矛先が異なっていたとしても、当園の設定保育の中では、季節や子ども達の今を捉えながら、「ここ」「このこと」と感じ、大切と思えることにその日出会えば予定していた保育内容を変更させることもあります。またそのような臨機応変さをも培っていかなければ保育は成り立ちません。「生活」を基礎に「学習」をしている幼稚園という場では、先生の力量が大いに問われると思っています。子ども達の持つ引き出しが、何段になるのか、大きいのか小さいのか、これから計り知れなくなるその器がより充実した物になるように、私たちがお手伝いできれば嬉しい限りです。さあ、新たな経験が二つ、今年度もこの6月に始まりますよ。

5月:『気づき』

【月目標】

 *神様に愛され、守られていることを知る。

 *興味のあることを見つけて、自分から関わろうとする。

 *友だちとのふれあいや関わりがうまれる。

 *自分の気持ちや気づいたことを身近な人に伝えようとする。

 

 無事、2016年の1ヶ月が終わりました。昨年度の緑組さんが植えてくれたチューリップ・アネモネ・パンジーなど様々なお花が、新しい年度を迎えてくれました。新しい担任の先生との出会い、それぞれが大きくなったお友達同士。新しく聖マリア幼稚園の兄弟姉妹として招き入れられた小さなお友達。そんな嬉しい、ちょっとドキドキの毎日から、季節は移り、今爽やかな、時には夏を思わせる暑い日のある中、子ども達の五感が駆使されはじめる時を迎えています。そうなんです。子ども達の様々な気づき、それはまさしく命との出会いではないでしょうか。子ども達の前にじっとある「砂」だって、鼓動こそ聞こえませんが、それにまみえる小さな手には大きな鼓動を呼び覚まします。この小さな園庭にだって、子ども達にとって大切な大切な命のやりとりが繰り広げられているのです。毎日神様に守られ、小さな虫やお花にさえ命を下さった神様にありがとうをしながら、お友達同士の触れ合いがそこに生まれているのです。子ども達が楽しむこと、興味を持つこと、そして自分から関わりたいなあと思う時、まず、目の前にあるものに「気づく」ことが大切です。それぞれの興味の方向や度合いは異なります。葉っぱやお花が好き、いえいえ大きい樹が大好き、草の葉に隠れる虫探しが好き、草花の命をいただきおままごとに使わせてもらうことが好き、それよりも乗り物に乗ってうまく人や物の間をすり抜けながら廻るのが好き、青い大空に向かって思いっきり揺らしてみるブランコが好き、グルグル回る螺旋滑り台が好き、やっぱりお部屋での遊びが好き etc.と思い思いの遊びを見つけ、今まで自分がしたこともない遊びを、お友達から教わり、自ら学び、伝え合ってやってみる。とっても楽しいですよね。大人になるとこんな楽しいこと、お友達との関わりの嬉しさを忘れがちになりますね。今、この時を大切にしないで、どうしましょうか?! 子ども達が学ぶこと、それは机上だけではないということ。自分の五感を使い、全身を使い、頭で考え、自分で表現してみる。汗だくになれば、砂まみれになれば着替えればいい。制服じゃないんだから。いくらでも。全てにおいて気づくことが、子ども達の生活を守っています。そこから楽しみが始まります。それを確実なものにしてあげる責任が大人に、幼稚園にあります。そしてそれら全てをお与え下さった神様に感謝ですね。手を合わせて祈りましょう。