1月:協同

【月目標】

 *神が与えてくださっている賜物を互いに生かして生活する。

 *自分の興味ある遊びに深く関わる。

 *友達の思いや考えに気づき、それを受け入れる。

 *健康に過ごすための生活習慣を身につける。

 

 新年明けましておめでとうございます。温かな年末年始を過ごしましたね。年末の大掃除から新年の初詣。子ども達にとってはXmasプレゼントや年始のお年玉。きっともらってばかりの嬉しい冬休みだったのでしょう。年末には思わぬ香西で家を失った方々、駐車場5階からの転落事故、年始にはトルコでの発砲事件等々。私たちには無縁のことのようですが、その方々に思いを寄せ祈りましょう。皆様にとり、良い一年となりますようお祈りいたします。

 さて、2学期の終業の日。子ども達、特に赤組と緑組に宿題を出しました。時制に関することです。残り少なくなったカレンダーを元に、201✕年の次は? 平成何年? 来年の干支のリーダーは? 今年はどの動物がリーダーっだった? 十二支(このことを干支っていうの)にはどんな動物がいる? 「あけましておめでとうってご挨拶するけれど、ドア(戸)をガラガラって開けるのとは違うねん」と。見えない時の線を越える。(今年と来年の見えないドアを開ける)アメリカではカウントダウンとともに1・2の3でジャンプして、昨年を飛び越えて新年を迎えます。日本はとても難しいと思います。西暦・元号・十二支一つの事柄をとっても様々な表現方法がありますから。そこには、日本の、京都の文化がありますから。「おせち」もそうですね。他の国の人から言わせれば、毎日同じものを食べるってありえない。一つ一つに込められた伝承がありつつも店舗が開店していなかった時代、女性が毎回「おさんどん」をしなくても良い、家族の和・健康を考えての文化の大切さだったのでしょう。今や育メン、新年からの店舗開店、部屋には暖房があり「おせち」も冷所へ・・・。と様々な生活の変化を考えるとその継承には大変な難しさを覚えます。子ども達の遊びも凧揚げ、羽根つき、かるた、トランプ等々。伝承とされた子ども文化の遊びを、果たしてどれほどの子ども達がこの中の一つでも経験しているのでしょうか。今を生きる子ども達にとり、大きく変化している生活の流れの中で、何が大切? 何を重視?して子ども達に経験して欲しいのか、生活全般に目を凝らして、改めて考えて行かねばならないと考えています。神様から頂いた命を基とし、心身ともの成長を見据えて、この一年も、私たちは及ばずながら心を込めてお子さんの育ちをお助けできればと考えています。今年も保護者の皆様との協同作業(連携)を宜しくお願い申し上げます。

12月:喜び

【月目標】

 *クリスマスの意味を知り、待ち、共に祝う。

 *心を合わせて表現することを喜ぶ。

 *社会や世界のできごとに関心をもち、自分たちにできることを考える。 

 

 季節は確実に冬に向かっているはずなのに、あまりの気温の上下に人間の体調のみではなく、木々も色付こうか散り落ちようかと戸惑いがあるのではないかと思うくらいのものですね。自然の営みが地球の温暖化によりかなりの狂いを生じ、先日の東京の54年ぶりの雪、観測史上初の積雪もその影響とは、本当に驚かされました。そんな季節の移り変わりの中、感謝祭のあとの10日間。お料理教室・慰問・お散歩・クリスマスの下準備etc.あっと言う間に毎日が過ぎていき、27日(日)のアドヴェント初日をむかえました。その初日、お父様方を中心にした夜のコーラスレッスンが開始され、2時間もの間、真剣な練習が繰り返されました。ありがとうございます。よろしくお願いいたします。 

 さて、この聖マリア幼稚園においてのクリスマスは、そのすべての人にとって、それぞれの意味を見出し、歌を通し、言葉を通してその本当の意味をお知り下さっていることと思います。そして、神様に命をいただき、日々元気に過ごしていることのその当たり前に今一度感謝してみたいと思います。少子化と言われながらも新しい命を授かり、誕生し、家族や社会の一員となる新しい命。その成長を慈しみ、仕事の成功を喜び、出世によって喜びを称え合う方々。一方では、その普通のことと思えることが当たり前に得られず、心に悩みを、胸を張って前向きになれない方も大勢おられることでしょう。天変地異によるもの、予期せぬことに出遭った方(事件・事故)等。私たちの近しい日本国内のみではなく、今や世界の隅々からの情報が手元で受け取れることを見聞きして、嬉しいことや心配なことに対して、私たちは何ができるのでしょうか。何をしてあげようと考えれば良いのでしょうか。それを今、様々なことを見本に、学んでいこうとしている子どもたちにどのような価値観を示すことができるのでしょうか。それぞれのご家庭の価値観にお任せします。が、幼稚園で子どもたちに伝えていることは、「おいのりしましょう」と「良いことをしましょう」幼い子ども達のごく近い関係の人に、ごく近い場所の方に焦点を当てていくことから次第に世界を広げ、実際の考え・価値観を実行することへと繋がってほしいと思います。それが神様から頂いた命を大切にし、アドヴェントというこの機会に感じ、考え、神様のお一人児のお誕生を待ち、喜び、お祝いすることにつながると嬉しいですね。

11月:『共感』

【月目標】

 *豊かな秋の実りを喜び、神様に感謝する。

 *秋の自然物に触れ、調べたり、試したり、食べたりして、季節を感じる。

 *気持ちや考えを伝えあい、分かち合いながら友達と過ごす。

 *色々な人の働きを心にとめる。

 

 秋! 一定しない気温の中いつしか「秋」は訪れ、美味しい果物・高騰している野菜・魚・新米等々、食欲のそそられる食べ物がお目見えしています。山の木々、街路樹も少しずつ色の変化を見せ、美しい綾錦を織り始め、また風に吹かれて舞い降りて落ち葉となってきています。

子どもたちの手には、いっぱいの自然物が握られ、通園の往復で触り、調べ、遊びの材料として試し、また食するものとの出会いもあり、時間のかかる通園風景、でも子どもたちにとってはいつまでも忘れ得ぬ、知らぬ間に心が豊かになると云う目に見えない賜物を積み上げているのでしょう。京都のこの辺りは、まだまだ自然があります。ちょっと行けば山、川、広っぱ

があるのですから。そんな風にして季節を感じながらの毎日、祈りを繰り返しての神様へ感謝する日々はどんどん過ぎて行き、今年のカレンダーもあと2枚になってしまいました。

 この園にとっての11月は大切な、真剣な、時には重く、嬉しく、楽しく、今まで以上に子ども達に大いなる成長をもたらす日々になるからです。キリスト教にとっての大切な行事に向かうのです。当園の基盤となる理念の一つである神様への感謝、そしてみんなを大切にすることを教えて下さった神様(イエス様)のお誕生をお迎えする準備も始まるのですから。そして、その行事が遊びへと、また遊びが行事へと、それぞれに生かされるのです。それを生かそうとする時、自分自身の気持ちを表出することを今まで以上に確かなものにすること、お互い耳を傾けること、お互いが受け入れることを意識すること、分かり合おうとすること、時には譲ること等々が、次のステップへと成長させるためにとても大切になってくるでしょう。新学期から数えて7ヶ月。春・夏・秋へと移り行く中で、とてもたくさんの経験をつんできましたね。泣いたり、笑ったりしながら。感情の起伏を自分で抑制しながら、尖った口先が笑顔に変わる時、それは、成長した一場面として温かくその心を受け止め、安堵感を享受させてあげたいと思います。私たちは、隣に人がいて初めて成長し、助けられ、学び、感謝し、愛され、喜び、楽しみ、泣き…。みんなに支えられていることを自覚し、いつも私たちの為に、物心両面で支えてくださっている家族・親戚の方、また知らない所で私たちを支えて下さっている方のことも心に覚え、様々な場や内容で共感しあいながら感謝し、嬉しい感謝祭をお迎えしましょう。

10月:『試行錯誤』

【月目標】

 *神様のくださっている力を出し合い、ともに取り組む。

 *季節の移り変わりを感じる。

 *疑問や気づいたことを調べたり、考えたりする。

 *友だちと遊ぶ中で、いろいろな方法に挑戦し、失敗を重ねながら試す。

 

 台風・地震・大雨・竜巻・雷等々の気象状況。もうすぐ10月ですのに、一体近頃の移り変わりはどうなちるのでしょうか。温暖化による影響が大なのでしょうか。とはいえ、私たちにはどうすることもできず、その日その時に与えられた環境に合わせ、物事が少しでも良い方向で対処できるように、自分自身を、また皆さんと協力して事を成していかねばなりません。明日、どんな状況下にあっても、特に緑組にとって思い出となる運動かになりますようにご協力くださいますようよろしくお願いいたします。

 さて、10月は気温も落ち着き始めるでしょうか、不安なところでもありますが、そう願いながら子ども達の成長を見つめていきたいと思います。落ち着いて、集中して、考えて、人に迷惑をかけずに「失敗は成功のもと」と思って考え、試行錯誤して様々なことに挑戦し、建設的に協力をし合う。「主の祈り」の中に「誘惑に陥らせず悪からお救いください」という一文があります。誘惑に陥るかどうかは、自分が正しいと思うことの竺がしっかりしているということであり、自分の心をしっかり表出することでもあります。年齢にもよりますが、集団の中で育つ大切な一つなのです。なんでも試行錯誤して良いというものではありません。失敗は自分自身の責任で担ってほしいものです。うちの子に限ってとか、この幼稚園の子に限ってとかではなく、大人はいつも子ども達の心と行動に気を配っている必要があるでしょう。まだ幼稚園ですから。そんな心を育てながらの集団内では、とても忙しくなるこれから!です。運動会で始まる10月、お芋掘り遠足、今年特別の「こころのお庭プロジェクト」「友の会園庭BBQ」そして、感謝祭に向かって始動します。と同時に、10月終わりの献金礼拝では、新約聖書のかかりに入る予定です。ということは、感謝祭と並行してクリスマスを見据えているということです。こひつじの会の保護者の方々には、聖歌隊へのご依頼もいたします。子ども達が物事に集中して、しっかり取り組める、そしてそれが楽しみへと繋がる、意欲としての気合いが入る。一つ一つの言葉を聴き取り、理解し、行動していくことはとても難しいことで、一朝一夕になるものではありません。お互いを高め合う為に、親も子も真剣に取り組まねばならない大切な幼稚園時代です。また、重要な2学期の日々です。しっかり関わらねば子どもは日ごとに親離れしていくのですから。今しかを感じて下さい。

9月:『躍動』

【月目標】

 *平和を考え、願い、共に祈り、平和に過ごす。

 *一日の生活リズムを取り戻す。

 *夏の経験を通して、遊びが広がる。

 *友だちと身体を動かす遊びを楽しむ。

 

 ツクツクボウシもまだかろうじて、惜しむ夏を呼び覚ましてくれています。その一方では、草陰から虫の声。ショウリョウバッタ(オンブバッタ)・機織りバッタ・ふわ~ふわ~と飛びながら餌になる自分の葉っぱを見つけて卵を産み付けている蝶々。地上での短い命を全うしたセミたちがあちこちに。積乱雲からさば・いわし・うろこ、ひいてはひつじ雲などもそろそろかと。

 暑い暑いから、涼しさへと私たちの五感が様々な季節の移り変わりを捉え始めますね。そんなことを素直に受け止められている、受け止めようとしているということの幸せ。平和な日々。がこの夏にも、私たちの周りでは、数々の自然災害や人災に見舞われた方がありました。そのような方々を主言う、祈り、平和な日々を感謝しつつ、大切な2学期を過ごしていきたいと思います。

 ここ数年、長期お預かりの実施に伴い、夏休み中に会わないということが少なくなってきましたね。しかし、子ども達の気持ちはやはり「夏休み」。様々な経験を積み、身も心も成長したに違いありません。(年齢によっては後退した部分もあるかもしれませんが、それも成長の一つと捉えてくださいね。成長は行きつ戻りつの繰り返しですので。) そして、それぞれの経験が、子ども達の遊びへと繋がります。共有することもできるようになります。それは、次第に「相手」の存在を認識し、集団の中の自分を捉えることができるようになるからです、その捉え方は、もちろん年齢及び個人差はありますが、自分がこうして欲しいと思った時、家庭の中での自分と明らかに異なるんだということが、判るようになりますね。幼稚園という初めての集団生活が、その後の生活の中心になり、お友達との関係性な中で、けじめ・我慢・譲る・聴く・話す、そして、誰から見ても気持ちの良い態度(姿勢・食事のマナーetc.)等々の学びの場となっていきます。1学期の間は、その1年の準備段階、2学期は自分で感じ、考え、表現し深めていく。3学期は学年の仕上げとともに次年度への助走です。あっという間の1年です。今年もあと四ヶ月なのですから。密度の濃いこの2学期を、それぞれの子ども達が遊びを充実させて、新しく挑戦して、新しい経験を通して自信をつけ、どんどん体得していけるように、私たちも一人一人の心に触れながら、日々寄り添って過ごしたいと考えています。ご理解、ご協力宜しくお願い申し上げます。

8月:『団欒』

【月目標】

 *平和を考え、願い、共に祈り、平和に過ごす。

 *保育者や友だち、家族とゆったり過ごす。

 *さまざまな人や環境に出会い、いろいろなことを経験する。

 

 いよいよ夏休み!! さぁ、海へ、山への今年の夏の計画はいかがでしょうか。様々な事故や災難に遭われた方のことを覚え、祈りながら、どうか充実した楽しい日々を元気にお過ごしください。今月は特に「命」を考える月ですね。

 梅雨明けを迎え、真夏に突入。蝉しぐれが目覚まし代わりになり、命ある生き物たちが、空中を飛び回り、子孫繁栄に向けて活発な活動を繰り広げています。この一学期に、幼稚園では様々な生き物を飼ってきました、実際に子ども達が命と向き合うことのできる大切な場面です。私たちは、毎日・毎回、命に向かい合う日々を過ごしていますが、この園で育ちあう子ども達はなんと幸せなことかと思います。自画自賛ではありませんが、この幼児期に生き物と関われることができる場や機会があることの重要性、それが将来的に、その人の心に響く大切な人間性へとつながる、また、自分の心の養いとして豊かな人間へと導かれるということが、様々な研究で指し示されているそうです。人間としての基本的な心の育ち、探求心、自分で飼いたいと思う持続料、自分の命が守られていることを、自分が手を施すことでそのことを実感し、だから、初めに手を下した以上は、最後まで面倒を見て、その命を守ること。小さな 小さな命の行きを入れてもらった ちってゃな虫たちにも、その大切なものがあることを学び取ります。今回の実習生の中には、いまだかつてカエルを見たことも触ったこともないという学生がおり、少々驚きました。しかし、今まで育った環境によって出くわしたことがないということならばそれは歪めません。しかし、少なくとも私たちのように、毎日子ども達と接しているこの職業を選ぶにおいて、全く知らないでは先が思いやられます。先生がどのようにそれを受け入れ、生き物と接するのか、とても大切な人的環境だからです。絵本の活用とともに、この長い夏休みには、ゆったりとした多種多様な自然体験をさせてあげてほしいと思います。テーマパークの楽しくなるもの、特に緑組は宿題のない唯一最後の夏休みです。兄姉がおられるとなかなか同じようにはできないかもしれませんが、ご家族お揃いで、団欒につながるような温かな時をお持ちください。昨今では、ご家族が揃ってのお食事風景も失われつつあります。意識的にそのような場を作ることも大切でしょうね。

7月:『探求』

【月目標】

 *神様の創られた自然にふれ、親しむ。

 *土、砂、水にふれ、心と身体を解放させて遊ぶ。

 *やりたいことや一緒にいたい人がはっきりしてきて、遊びが続くようになる。

 *子どもの育ちを保護者と共に分かち合う。

 

 梅雨明けはいつかな? 思いっきりプールの水で遊びたいな?と思うところでしょうが、例年のごとく、待ち遠しい梅雨明けですね。なんでも適度が良い。暑さ、寒さ、風の強さ等々。でもなかなか人間が考えるように穏やかな天候の中での毎日いは望めないものですね。正しく月目標にあるように、神様の創られた自然に触れ、親しむことを自ら行わなければ、「暑い!」「寒い!」と気持ちの上から耐えられなくなるのでしょうね。神様のなさることにはすべて意味があると.神様が私たちに与えてくださることは、素直に受けなければならないのでしょう。子ども達にとって、遊びの大切無し全仏の一つは、土・砂・水です。関わりながら気持ちを解放させて遊べるようにと考えます。しかし一方で、それらによって大きな被害を被られた方々にとっては、特にそれらと戯れていた子ども達にとっては、無残な思い出として脳裏に焼きつくのかも知れないとと考えると、本当に気の毒に思います.私たちのできること、祈ることからその方々に少しでも近づき、添うことができるならと祈りを繰り返したいと思います。私たちの置かれたこの場は、祈ることから始まるからです。花組さんでさえ、一人遊びをしながら、「♪一人一人の名を呼んで、愛してくださるイエス様・・・♪と口ずさんでいます」と聞けば、子どもたちの心にしっかりイエス様が寄り添ってくださっているんだな、本当に小さな私たちに。と感謝でいっぱいです。

 先日の日曜礼拝の時に藤原先生(チャプレン・司祭)のお説教に、教会に生まれた時から亡くなり、また天国へ行かれてからも、ずっと祈れる場であることをお話しされました。その週には、なくなられた方、銀婚式をお迎えになられた方、結婚式を挙げられた若いカップル、そんな大きなお礼はいが3つも行われたからです。それを耳にした時、本当にそうなんだ!と改めて思ったのです。お腹にいる時・誕生した時・七五三に当たる幼児祝福式・入学・卒業・成人・就職・結婚・〇〇式・敬老感謝(還暦・古希・喜寿・傘寿・米寿・卒寿・・・)そして神様の元、天国へ。こうして考えると、すべて祈りを持って受け入れて頂けるのです。子どもたちの今、まさに元気いっぱいの毎日を、ふと立ち止まってご家族みんなで感謝しながら、子どもの成長の今を振り返ってみるのも良いかもしれませんね。それぞれの子どもさんに与えられた賜物を探しながら。